短編小説・「明日へ続く道」 3

そして、その日がやってきた。

天気は晴れて、絶好のサッカー観戦日和と
なっていた。
十二月に入っていたが、それほど冷え込む
ことも無く、空っ風も吹いていなかった。

父は、忘れ物は無いかチェックをしていた。
健太は、支度を終え、父を待っていた。

「ねえねえ父さん、何時に行くの?」
と健太は尋ねた。

「10時頃には出るべぇか。」

え?10時頃?って開場は12時30分なのに
何でそんなに早く?

と健太は疑問に思った。

「10時頃って、早くない?入れるんは
12時半でしょ?」
と健太が聞くと、父は答えた。
「今日は最終戦だべ、いろんなイベントやってる
つーし、それに今日試合に出ない選手が参加
するらしで。ノートかなんか持ってけや。サイン
もらえるで。」

「サインなんてそう簡単にもらえるの?選手から。」

「あープロサッカーの選手はファンとの距離が近いかんな。
結構もらえるで。」

「でも、誰が誰だかわかんないし。ダスパの選手
知らないし。」

「まあいい。なんか持ってけ。」

「でも・・・」
健太はそれ以上何も言わなかった。言えなかった。
言っても無駄だと思ったからだ。

父は、鼻歌を歌いながら敷山へ行く準備をしていた。
健太はその姿を見ているだけだった。

10時も近くになった時
「さぁて、そろそろ行くべぇか。健太。」
「うん。」

「あれ?母さんと玲菜は?」
と健太は、母に聞いた。

「お母さんと玲菜は買い物に行くのよ。」
と母は答えた。
「今日は、男同士と女同士だね。」
と妹の玲菜は言った。
「たまには、お父さんと二人で楽しんでらっしゃい。」

「あ~うん・・・」
健太は気の入っていない返事をした。

「おーい健太、はぁ行くでぇ。車に乗れぇ」
健太は父にせかされ、車に乗った。

続く・・・

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