短編小説・「明日へ続く道」 8

「結構こんでんな。」
メインスタンドのコンコースには、色々な食べ物や
飲み物が売っていて、大勢の人で賑やかだった。

「さぁて、なんにすっか?」
「何でもいいよ。」
「そっか。んじゃ、健太の友達の勧めてくれたやつに
すっか。」
-友達じゃ・・・
健太は思ったが、口には出さなかった。

健太の父は、弁当を二つ買い、健太に渡した。
「あとは、ジュースでも買うか。なんにする?」
「みかんジュースで良い。」
「そっか。じゃあ俺は・・・お茶にすっか。」
「え?父さん、ビールじゃなくていいの?」
健太はいたずらっぽく言った。
「車で来たんだから、ビールはうんまかねぇべ。」
健太は「へへへ」と笑った。
「こいつ。」
父は、健太の頭に軽く拳骨を落とした。
「いてぇ~」
健太は、笑いながら頭をさすった。

「なんだ?このコップ。」
売り場の列に並んでいて、テーブルの上においてある
リターナブルカップに気がついた。
「へぇ、これを買うと、50円引きになるんか。紙コップが
ゴミにならなくていいな。」

健太と父の順番が来た。
「みかんジュースとお茶を、このコップで。」
「普通のコップでいいよ。」
健太は言った。
「気にすんな。」
と、父は取り合わなかった。

「席に戻るか。」
「うん。」
スタンドの席に戻ると、礼司はそれを待っていたかのように
「あ、戻ってきた。健太さぁ、戻ってきたとこ悪いんだけど
ちょっと行って来る?」
と、健太に言った。
「え?どこ行くの?」
と健太は礼司に聞いた。
「ハイタッチイベントに当たったんさぁ。これから、下に下りて
選手とハイタッチするんだ。」
と礼司はうれしそうに健太に言って、小走りに席を後にした。

「あ、どうぞどうぞ。」
と礼司の父は、席に座るように誘った。
「ハイタッチですか?」
と健太の父は、礼司の父に聞いた。
「ええ。ファンクラブの限定イベントなんですけどね。ピッチサイドに
立って、選手がピッチアップに行く時にハイタッチで送り出すんですよ。」
礼司の父は説明した。

「あ、そういうイベントがあるんですか。いいですね。」
「大井川さんは、サッカー見るの初めてなんですか?」
「いやぁ、昔、浦田のサポだったんですよ。でも、こっちに来て
結婚して、こいつが出来てからは、すっかり離れてしまいまして。」
「あ、そうだったんですか。私は、礼司が行こう行こうってせがむので
去年連れて来てから、すっかりはまってしまいまして。」

続く・・・

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