短編小説・「明日へ続く道」 5

「すげぇ。なんかいっぱいいるね。」
「こんな中じゃみっからねぇなぁ。」
「誰探してんの?」
健太は聞いた。
「ん?あぁ今日のチケットをくれた人さぁ。」
と父は言った。

「まぁいいか。そのうち会うべ。
ん?ここで色んなもん売ってんな。」
父は、グッズ売り場を見て
「なんか買ってやんべぇか?健太。
 ユニフォームは・・・たけぇな。お、みんな
この黄色いタオル首に巻いてんな。これ買う
べぇか。」
と父は健太に言った。
「えーいいよ。なんかかっこ悪い。」
と、健太は断った。

「後で欲しいって言うないなぁ」
と父は笑顔で言った。
「言わないよ。」
とうつむいて小声で健太は言った。

「よぉ!」
大きな声が聞こえた。
父が振り向いた。
「よぉ!来たで。」
その声を聞いて、健太は顔を上げて
振り向いた。
そこには、父と同じくらいの年齢の男の人が立っていて
父と握手をしていた。
「おーそうだ、これが俺の息子。ほれ、挨拶しろ。」
と言うと、父は健太の背中を押した。
「こんにちは。」
健太は小声で挨拶をした。
「この人が、今日のチケットをくれたんだぞ。」
父の知り合いの男の人は、腰をかがめて顔を健太の
顔と同じくらいまで下げ
「今日は楽しんでいってな。」
と言って、頭をなでた。

「なんか並んでるみてぇだけど、どこに並べばいいん?」
「渡したのはシーズンチケットの招待券だから、一般チケット
と同じ時間なんさ。えーと、あそこの入り口の所から・・・」
父とその男の人が話をしているので、近くにあるベンチに
健太は座った。

「おい。健太じゃねぇか?」
うつむいて座っている健太は、不意に横から声を掛けられて
驚いて、頭を上げ左を見ると、そこには同じクラスのいじめっ子
の礼司が立っていた。

「あっ。」
健太の顔が少しこわばった。
「なんだ、おめぇもダスパ好きだったんきゃ?」
と礼司が健太に聞いた。

「いや。あの。今日は父さんにさぁ、初めて連れて来てもらったんさ。」
とおどおどした感じで健太は答えた。
「なに、そうなん。まあいいや。一緒に応援すべぇ。」
礼司は健太を応援に誘った。

続く・・・

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