短編小説・「明日へ続く道」12

ピッチに選手が出てきた。
バックスタンドの応援は、熱気を帯びてきた。

ゆっくりと歌が始まった。
後半のキックオフの直前で、ヒートアップした!
多くの旗が振られ、スタンドが揺れるほどに
サポーターが飛び跳ねていった。

健太も、それに負けじと大きな声で応援した。

惜しいシュートがあると、一緒になって頭を抱えた。
周りがブーイングをすると、一緒になってブーイングした。
選手の交代の時には、拍手を送った。

父は、そんな健太の姿を横目に見て
『すっかりはまったな。連れてきてよかった。』
そう思った。

後半40分になろうとした時、それは起きた。
DFの選手が、相手選手をペナルティエリア内で
倒してしまった。
スタジアムは、一瞬静まり返った。

健太は父に聞いた。
「どうなるの?」
「あー、まずいところで倒したなぁ。多分、PKじゃねぇか?」
「止められるよね。あのキーパー。勝つよね。ダスパ。」
「そうなるといいな。」
父は健太の頭をなでた。

健太の願いもむなしく、PKは決まってしまい、1対1の
同点に追いつかれてしまった。

「まだ時間はある。ほれ、まだ諦めんな。」
「うん!」
そして、健太は礼司の方を見た。
礼司も
「まだ諦めねぇで!」
と言って、今まで以上に応援し始めた。

選手達は、必死になって勝ち越しのゴールを奪おうと
していた。
健太と礼司は、バックスタンドのサポーターと一緒に
必死に声を出して応援した。

そして、無情にも主審のホイッスルが試合終了を告げた。
両チームの選手は、膝に手をついたり、しゃがみこんだりして
いて、試合の激しさを物語っていた。

その中でも、ダスパの一人の選手は、涙を流していた。
PKを与えてしまったDFの選手だった。

でも、バックスタンドにいるサポータは、その選手の
コールを送っていた。

そして、ホーム最終戦のセレモニーが始まった。
監督の挨拶。その後に、選手がスタジアムを一周する。
そしてその時に、選手一人一人の名前がアナウンスされ
サポーターも、一人一人の選手コールをした。

続く・・・

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