短編小説・「明日へ続く道」最終回

『なんだろう?こんな気持ち初めてだ。』
健太はそう感じた。
そして、健太の目から、自然と涙が流れ出した。
「父さん・・・」
「どうだ、いいもんだろ。」
「うん。」

健太は礼司の方を見た。
礼司は、号泣していた。
『ずっと応援していると・・・』
「礼司・・・」
「健太・・・」
二人は、肩を組んで、声にならない声で
一緒になって選手コールをした。

セレモニーも終わり
「さぁ、行くべぇか。」
「うん。」
「元気出せ。ごみ、持ってくのわすれんな。」
「うん。」

スタジアムの出口で、ごみの回収をやっていたので
そこにごみを預けて、4人はスタンドから出た。

「今日はありがとうございました。」
健太の父は、礼司の父に言った。
「いえいえ。こちらの方こそ、ありがとうございました。
礼司が、ここであんな嬉しそうだったのは、初めてですよ。」

「ねぇ、父さん、このタオマフ、健太にあげてもいい?」
と礼司は、礼司の父に聞いた。
「あ、いいんじゃない。」
「え?いいんですか?」
健太の父は礼司の父に聞いた。
「ちょっとボロになってしまいましたが、気にしないでください。」
と笑顔で礼司の父は言った。
「すいません。ありがとうございます。
ほれ、健太もお礼を言って。」
「ありがとう。」

「じゃあ、月曜日学校に持って来いよ。俺も持ってくから。
学校で、ダスパの応援すべぇ」
「え?うん。」

「じゃあ、私達は選手バスの見送りに行きますので。
失礼します。」
軽くお辞儀をして、礼司の手を引いてバスの方へと歩いていった。
健太の父も、軽くお辞儀をした。
礼司は振り返りながら健太に手を振っていた。
健太も手を振り替えした。

「さぁ、けぇるか。(帰るか)」
「うん。」
健太を手を引きながら、バス乗り場の方へと歩いていった。
健太は、礼司からもらったタオルマフラーを首に巻いて、
それを手で触っていた。

「あれ?はぁバスはねぇんか。」
「父さん、歩いていこう。」
「ん?ははは、そうすっか。そんな遠かねぇしな。
でも、急がねぇとな。母さんと玲菜が駅で待ってるで。」
「うん。」

二人は、駐車場へ向かって歩き出した。
「健太、良かったな。」
「え?うん」
『父さん、知ってたんだ・・・』
「ほれ、急げ!信号が変わるで」
「うん!」

二人は小走りに信号を渡った。
駐車場へ向かう道は、車が渋滞していた。
でも、健太には楽しい道に見えた。

「父さん、来年はずっと応援したい!」
「ん~それは母さんと相談だな。」
「父さん、もっと稼がないとだね。」
「こいつ!」
「ははははは!」
健太は走り出した。

『明日に向かって、行くぞ!』

終わり

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