短編小説・「明日へ続く道」9

「この雰囲気。良いですよね。なんか子供みたいにワクワクしませんか?」
と健太の父が、礼司の父に聞いた。
「そうですよね。」
目線はピッチの方向だが、遠くのほうを見て健太の父は答え
話し始めた。
「Jリーグが始まった頃、必死でした。お荷物とも言われたことも
ありましたしね。新聞でザスパの記事を見ると、その頃とだぶって
見えるんですよ。」
「そうなんですか。私なんて、今の強いレッズしか知らないですから。」

礼司の父は、そう言って視線をピッチの方へ向けると、ファンクラブの
サポーターが第4コーナーのところに並んでいるのが見えた。
「そろそろ選手が出てきますよ。」

すると、座っていたバックスタンドのサポーターが一斉に立ち上がった。
そして、チームコールが始まった。

「相変わらず凄い。やっぱりサッカーはスタジアムで見ないと。」
健太の父は、子供のように目を輝かせていった。
そして、健太は今まで見たことのない父の顔を見て驚いた。

-こんな顔の父さん初めて見た。

健太がじっと父の顔を見ている事に気がついた父が
「ん?どうした?なんか俺の顔についてっか?」
「うんん、なんでもない。」
「ほれ、選手が出て来たで。へ~いいな、ハイタッチが出来るなんて。」
礼司の父が
「ファンクラブの会員だけの特典なんですよ。」
健太の父が
「あ、そうなんですか?いいですよね。選手と間近に触れ合えるなんて。
健太、おめぇも入るか?」
「いいよ。ファンでもないのに。」
「そっか?まぁいいや。入りたくなったら言え。ははは。」
と父は健太の頭をなでながら笑った。

礼司が戻ってきた。
「選手とのハイタッチもいいけど、あそこに立つとなんかドキドキするよ。」
と興奮して、大きな声で健太に話した
「へぇーそうなん。」
健太のそっけない返事に礼司は
「なーに、それ。凄ぇんだぜ。(すげぇんだぜ)」
と言った。

(続く)

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